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1948年12月10日、人類の英知の結晶といえる「世界人権宣言」採択から58年−−。今年も人権週間(4〜10日)が始まった。
法務省の統計によると、昨年、新規に救済手続きを開始した人権侵犯事件数は、過去最大の2万3805件。近年は、女性、児童、障害者ら社会的弱者を被害者とする「暴行・虐待事案が目立っており、インターネット上での人権侵犯事案も、増加傾向にある。
その結果として、今年の人権週間の強調事項には、女性や子供の人権擁護、障害者への理解向上、ネットの悪用防止などが掲げられた。
マスコミ報道も、依然として重い課題を抱えている。
今年8月、山口県で起きた女子学生殺害事件でも、自殺した容疑者の男子学生について、複数のメディアが実名と顔写真を報じたため、少年犯罪報道のあり方が議論の的となった。これまでも、一部週刊誌による売らんがための、あくどい報道姿勢は、再三にわたって問題視されてきた。日本社会に蔓延する人権軽視の風潮は、こうした悪質メディアの存在が主因の一つとなっている。決して許してはなるまい。
国内の一部メディアの低劣な、目に余る人権感覚もさることながら、国際社会に目を転じれば、人間の尊厳は、いたるところで脅かされ続けている。
アフリカのスーダン西部では、紛争によって、200万人の国内避難民が生まれ、レソト王国では、HIV感染の拡大が深刻な差別問題を引きおこした。9.11テロ以降、イスラム社会への偏見は、広範な地域で根強く、人権問題は紛争、人種・民族主義などとも絡み、複雑な様相を呈している。
ある世界的識者は提言の中で、世界規模の諸課題と正しく向き合うには、「大状況」(世界)から「小状況」(個人)へと視座を転じることで、身近な生活実感のうちに捉えなおすべきである、と強調している。
その文脈でいえば、人権意識の向上にあたって、肝要とすべき点は「差別される側の痛み」を知ることである。
他者の心に思いをはせるとともに、デマ報道など、目の前の人権蹂躙を鋭く見抜き、厳しい批判を向けていく−−。一人一人の心に“身近な人権感覚”を涵養することこそ、「人権が光り輝く社会」「人間主義の政治」を大きく開きゆく方途に違いない。
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| (掲載日:2006.12.06) |
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